平成28年7月12日、小倉高校にて、紙芝居『解釈のちから』の授業を開催しました!小倉高校は、文部科学省より科学技術系人材育成のための学校独自のカリキュラムによる授業や、大学・研究機関などとの連携、地域の特色を生かした課題研究など様々な取り組みを積極的に取り入れることを目的としてスーパーサイエンスハイスクール(SSH)として指定されており、そのカリキュラムの一つとして、われらが紙芝居『解釈のちから』の授業がなされたというわけです。
パチパチパチ。。。
ちょっと格式高い感じがします。がしかし、今回でこのSSHのカリキュラムとしての法教育授業は、なんと4年連続4回目なのです。
今回の講師は、北九州支部青少年法律講座委員会が誇る金源会員、原田会員の名(?)コンビ。二人の掛け合い授業はいかなるものになるのでしょうか?楽しみ~!!
教室には、このカリキュラムを選択してくれた2年生20人が、すでにスタンバイ。
講師陣はというと、いつもと変わらず飄々としています。
さてさて、紙芝居のはじまり、はじまり~
あれ、いつも小学校でやってる紙芝居調のセリフ「むか~し、むかし、とある村に、一本の川が流れていました。」では、ありません。ここは小倉高校ということもあって、紙芝居の話のニュアンスを損ねないように大筋の説明をするというアカデミックな授業のスタートです。ほほ~、考えましたねぇ。聴講していた生徒さんたちも、真剣な表情で聞き入ってます。
今回の授業は、二部構成。
第1部 紙芝居『解釈のちから』。
第2部 クラス投票。
1部の紙芝居から2部のクラス投票にスムーズにつないでいけるのか?
このポイントが講師金源委員の見せ所なのです。
第1部紙芝居で、文理解釈から目的論的解釈への流れるように、つながっています。
同じ質問なのに、「牛」さんは、見事に多数派が逆転しました。
この法教育授業には「不正解」はありません。
答えは一つではなく、みんなの意見がすべて正解です。自由な発想で、ためになる意見、優しい意見、手厳しい意見などなどいろんな意見が出た方が、授業は盛り上がりますが、高校生ともなると、みんな発表をためらっている様子。
紙芝居後半に村長の予想外の思惑が判明するのです。
授業は、前半の山場となってきました。
この村の将来を考えて、村長の暴走を制御する必要があるよね。これって、日本って国で考えたら何かな?という質問を正解がでるのかと不安そうに問う講師。
講師陣も緊張の一瞬です。
その時、一番前に座っていた男子生徒から「憲法」の一言。
その答えを待ってましたと安堵の表情の講師。
こうして、第2部クラス投票にうまいことつながっていったのでした。
さあ、ここからは原田委員も加わっての掛け合い漫才、もとい、授業の始まりです。これまでの小学校での紙芝居授業のエピソードを紹介しながら、生徒さんたちの発表しやすい土壌を作ってくれています。
さてさて、授業の方はというと、近い将来実施されるかもしれない憲法改正について、みなさんに「改憲・賛成」か「護憲・反対」かを考えてもらい、授業の最後に投票してもらうというやり方です。
講師の金源委員と原田委員がそれぞれ改憲派・護憲派に立ち、それぞれの意見を主張します。生徒さんたちには、その意見に対して疑問に思うところを質問してもらい、最終的に自分はどう判断したのかを無記名投票してもらいました。
ということで、授業は終了です。
いろんな意見が発表されれば、されるほど多角的な見方ができるものです。はじめは、自分で判断することが難しいと感じている生徒さんたちがいろんな意見を聞いて、感情に流されることなく社会的にどうあるべきかを一生懸命にこの授業で考えたと受講後のアンケートにありました。そう感じてもらえたのなら、この授業の甲斐があったというものです。
福岡県司法書士会では、県内全域で『法教育』の出前授業を行っています。対象学年は小学校・中学校を主に行っていますが、高校や大学でも授業した実績がありますので、開催ご希望の学校があれば是非お問い合わせください。
福岡県司法書士会による法教育授業『解釈のちから』についての詳しいお問い合わせは、福岡県司法書士会事務局(TEL:092-714-3721)までお願いいたします。